MATE

Raspberry Pi(Raspbian)は処理能力の低いPCでも軽快に動作するように設計されたデスクトップ環境LXDEが標準で採用されていて、確かに動作は軽いのだがその分かなり切り詰められた感じがあって、慣れないとちょっと使い辛く感じる事もある。

LinuxはOSそのものとデスクトップ環境は分離しているので、もっとリッチなデスクトップに切り替える事も可能なのだが、Raspberry Piの処理能力はPCとして見れば二昔前程度のパフォーマンスしか無いため実用性に欠けてしまう。

Linux Mintディストリビューションの標準デスクトップ環境の一つとして採用されているMATE(マテ)はWindowsライクな外観と数多くのツールを持ち、比較的軽量らしいのでRaspberry Piで試してみる事にした。

RaspbianにMATEをインストールする為には、最初にパッケージ情報ファイル”/etc/apt/sources.list”にリポジトリ行を追加する必要がある。sources.listはroot権限でしか編集できないので、sudoを付けてテキストエディタを起動する。

nanoを使って編集する場合は

$ sudo nano /etc/apt/sources.list

と入力してファイルを開き

deb http://archive.raspbian.org/mate wheezy main

の行を追加して保存したら

$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get install mate-core mate-desktop-environment

を実行すれば良い。
インストールにはかなり時間がかかるので、余裕を見て行った方が良いだろう。

インストールが完了したら

$ sudo update-alternatives --config x-session-manager

を実行してデフォルトのウィンドウマネージャをMATEに切り替える。
恐らく最初は

There are 4 choices for the alternative x-session-manager (providing /usr/bin/x-session-manager).

  Selection    Path                      Priority   Status
————————————————————
* 0            /usr/bin/startlxde         50        auto mode
1            /usr/bin/lxsession         49        manual mode
2            /usr/bin/mate-session      30        manual mode
3            /usr/bin/openbox-session   40        manual mode
4            /usr/bin/startlxde         50        manual mode

Press enter to keep the current choice[*], or type selection number:

のように表示されるはずなので、mate-sessionの番号を入力して切り替えておく。
あとはstartxで起動するか、リモートデスクトップでログインすればMATEデスクトップ環境が表示されるはずだ。

デスクトップテーマを変更して、パネルの位置も調整してなるべくWindowsライクにするとこんな感じになる。LXDEよりはやや動作が重く感じるが、このデザインならLinuxに慣れていない人でも、多少は使いやすく感じるのでは無いだろうか?

Mate

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XRDP(2)

Windows8.1のリリースと同時に、マイクロソフトからiOSとAndroid対応のリモートデスクトップクライアントツールがリリースされた。

RDPに対応したリモートデスクトップクライアントなので、Raspberry PiにインストールしたXRDPサーバとも通信が可能なはず。と思い試してみた。iOS用はここ、Android用はここからダウンロードできる。

Android用はバージョン2.2以降とかなり古いバージョンから対応しているが、iOS用はバージョン6.0以降でないとダメなようだ。iOSデバイスは所持していないので、Androidスマートフォンへインストールを行って試してみた。

起動すると接続先一覧の画面になるので「+」のアイコンをタップしてRaspberry PiのIPアドレスとユーザ名、パスワードを入力。
20131021-200654

接続先がリストに登録されるので、それをタップ

20131021-200730

信頼されていない接続、という警告が出る(どの環境でも出るのかは不明)ので、Connect AlwaysかConnect Onceをタップ。
20131021-200815

間違いが無ければこれでXRDPサーバが稼動しているRaspberry Piのデスクトップに接続できるはずだが、Windows版のクライアントのように画面解像度を指定しての接続はできないらしく、常に端末側の解像度と一致した画面になってしまう。

20131021-200831

このため、4インチ程度のスマートフォンで接続すると異様に細かくなってしまい、文字がほとんど読めない。7インチや10インチであまり解像度の高くないタブレット端末のほうがこの用途には向いていると思う。
ピンチして画面の部分拡大もできないが、画面上部の移動アイコンをタップすると画面が拡大されて、スクロールして見ることができる。

20131021-201141

この時の操作方法がちょっと独特で、最初に中央の移動アイコンをタップしてから、指を離さずにスライドさせる事で画面がスクロールする。画面の一部を拡大表示している窓を、指で滑らせて移動するイメージ。
スマートフォン本体のメニューボタンで表示されるメニューバーで、特殊キーの入力も可能になる。右から2番目のアイコンでタッチパネルとマウスポインタが同期するようになるので、アイコンのダブルクリック等はそれで行える。

スマートフォンでの実用性はほぼ無いに等しいが、画面の大きいタブレット端末ならBluetoothキーボード等と組み合わせて開発に使えるかも知れない。Windowsへのリモート接続を行う場合もあるなら、一本のアプリで済んでしまうので選択肢として覚えておいても良いだろう。

XRDP

Raspberry PiのデスクトップをWindowsでリモート表示させたい時、VNCを使用する方法を以前に書いたが、この場合PC側にクライアントソフトを用意する必要がある。

Windowsにはもともとマイクロソフト独自のリモートデスクトッププロトコルが(RDP)が用意されているので、Raspberry PiでRDPサーバを動かせばクライアントソフトは標準のものがそのまま使える。

Linux用のRDPサーバXRDPをRaspberry Piで動かすのは簡単で、コマンドラインで以下のようにapt-getを使ってインストールすれば良い。

$ sudo apt-get install xrdp

インストールが完了したら、次にxrdpを使用するユーザを設定する必要がある。
/etc/groupをエディタで開くと最後にxrdpグループが追加されているはずなので、Raspberry Piのデフォルトユーザを追加するなら、xrdpのグループ行に以下のように書いて保存する(グループIDは異なる可能性がある)。ユーザが複数存在する場合は、カンマで区切って並べる。

xrdp:x:116:pi

groupファイルを編集する時は、sudoを付けてエディタを起動するか、vigrpコマンドを使う。vigrpはファイルをロックしてからviを起動するため、viに慣れていない人は

$ sudo nano /etc/group

で編集する。エディタでgroupファイルを直接編集するのはあまり推奨されないのだが、ユーザが自分しかいないRaspberry Piなら問題は無い。

XRDPサービスは既に起動されているはずだが、念のため以下のコマンドで起動しておく。

$ sudo /etc/init.d/xrdp start

これで準備は整ったので、Windowsのスタートメニュー > プログラム > アクセサリ > リモートデスクトップを起動してRaspberry PiのIPアドレスを設定。画面の解像度と色は任意の設定で大丈夫だったが、転送データが大きくなるので必要が無ければ色は16ビットにしておいたほうが良い。

スクリーンショット 2013-10-12 08.57.07 スクリーンショット 2013-10-12 08.57.33
接続が確立されると以下の画面が出るので、ユーザIDとパスワードを入力。

スクリーンショット 2013-10-12 09.01.55 スクリーンショット 2013-10-12 09.02.42 スクリーンショット 2013-10-12 09.03.16
全体的にVNCよりも動作が軽い気がする。Windowsでしか使えないが、クライアントソフトを用意しなくても良いのはメリットだろう。